奇跡の復活を果たしたカリスマ美容師

今を去ること10年前、カリスマ美容師ブームがありました。90年代末にテレビ番組をきっかけにブレイクしましたが、じつは無免許で美容行為をしていたカリスマ美容師などもいて、ブームはどんどん下火になっていきました。

最近ではカリスマ美容師という名称自体を耳にしません。そんなカリスマ美容師の一人だった鈴木勝裕さん。人気サロン「STREET」のオーナーでしたが、現在では美的感覚集団美髪堂株式会社の代表取締役として、美容と福祉を融合させた出張サービスを展開しています。鈴木さんはかつては原宿で「STREET」など6店舗を経営していましたが、カリスマ美容師ブームの衰退とともに厳しい経営状況に陥りました。やがて通常ならば8%程度が理想という家賃比率が原宿で30%にも達するようになり、平成14年頃には5%から10%もの赤字を抱えていたのです。このままで良いわけがないと一念発起した鈴木さんは、新しい経営を初めます。「ゲリラ線」「地域密着」という原宿でこれまでも大切にしてきたことにプラスして「高齢化」というキーワードを中心据え、移動式福祉美容車両という新ビジネスをひらめくのです。新事業を開始するにあたって資金繰りは非常に重要ですが、鈴木さんの場合には国・自治体が事業を支援する、当時の経営革新法が味方してくれました。いわゆる現在の中小企業事業活動促進法ですね。赤字まみれのカリスマサロン経営から一点、福祉ベンチャービジネスへ。2006年には第2回渋沢栄一ベンチャードリーム賞・奨励賞も見事受賞しました。

そんな鈴木さんの本音を綴った『奇跡の美容室』がダイヤモンド社から刊行されました。表紙の鈴木さんの写真がネクタイのスーツ姿であるあたりに、時代の流れを感じずにはおられません。

参考:「新刊JP」

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